千葉マリア公式サイト

「お袋、お待たせ。俺あと1週間でDJの世界一になるぜ。ナンバーワン!」電話の向こうから晃太郎の興奮した声とガシャンと切れる受話器の声。 これが私の薬物依存症者の家族として戦い始めた瞬間でした。 この電話の後、すぐさま長男の住むアメリカ、ニューヨークへ一人で出かけ、 彼を無理やり帰国させ手探りの状態で回復治療を一緒になってはじめました。
【千葉マリア著書”馬鹿でもいいサー”より】

日本の薬物に対してのイメージも、芸能人群の逮捕時その報道が多々された影響もあってか、社会現象的に一歩前に進んだような気がします。 私自身、何をどのようにしたら、良い方向に進んで行けるのか、右往左往してなかなか理解出来ない薬物とのかかわりです。 それでも息子の薬物問題最盛期から13年たった今、やっと自然体で薬物とその問題に向き合っているなと感じる日もあります。 かつて薬物依存症という病気の息子を与えられ、私の中にある問題(AC)にも気づかずにただ悩んで苦しんでいた私の日々の体験経験も含めて、 現在依存症者との係わり合いの中で困っていらっしゃる方々とともに”サルビア家族会”の勉強会を始めて、もう十年近くなりました。 そして昨年、必要性を感じて女性専用の回復シェルター”SARS"を開設いたしました。 回復を目指す女性と24時間一緒に暮らし、私も入寮者も、共に新しい生き方の中で、社会復帰までのサポートをさせて頂いてます。 無我夢中の一年半、この時の速さに驚きを感じています。 しかしまだまだ奥の深い幅広い問題が次々と山済みで、その一つ一つと対峙し解決し勉強し、実践しております。 このようなボランテア活動ですが、一人でも多くの方に知っていただき、苦しんでいる?途方にくれてる?当事者に伝えていただきたい。 これからの残された時間内で微力ながら広めて行きたいと思っています。 そんな私ですが、本業は40年のキャリアのある歌手なので、歌の修練も怠らず出来たらいいな・・・と考えています。